佐世保市における子宮癌施設検診の二次精密医療機関は、佐世保市立総合病院と佐世保共済病院の2施設となっているが、2施設に佐世保中央病院を加え当社に病理検査を依頼され自施設での精密検査も行われている。
一次検診での要精検者の追跡結果を下表に表します。 なお平成24年・25年度の3月末までは日母分類とべセスダ分類を併用しており平成23年以前の統計とは切り離して表記しております。
<昭和60年〜平成23年> 27年間 受診者数:130204名 要精検者数:2641名(2.03%) 追跡不明者:384名(14.5%)
◎
クラスVa 2319 例 追跡不明者 363 例( 15.65 %) <昭和60年〜平成23年>
2319例中組織診による検査が行われたのが
792例(34.15%)であり内訳は異形性: 454例(19.58%)、上皮内癌: 74例(3.19%)、浸潤癌: 32例(1.38%)子宮頸部腺癌: 5例(0.22%)、子宮体癌10例(0.43%)、肉腫: 1例(0.04%)卵管癌: 1例(0.04%)など悪性と診断されたものは123例(5.30%)であった。一方、慢性子宮頸管炎などの炎症性疾患は215例(9.27%)であった。細胞診のみによる再検査では、Va
から Vb へ変わったものが11例(0.47%)長期間 Va
が続いたものは400例(17.25%)、Va から
U、Tの陰性となったものは122例(5.26%)、再検査で U、Tの陰性であったものは
631例(27.21%)であった。 Va での追跡不明者は363例(15.65%)となっている。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(Va比) |
792例 <34.15%> |
異形成 |
454(19.58) |
上皮内癌 |
74( 3.19) |
浸潤癌 |
32( 1.38) |
頸部腺癌 |
5( 0.22) |
子宮体癌 |
10( 0.43) |
肉腫 |
1( 0.01) |
卵管癌 |
1( 0.01) |
炎症性疾患 |
215( 9.27) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(Va比) |
1164例 <50.19%> |
Va〜Vb |
11( 0.47) |
長期間Va |
400(17.25) |
VaからU、T |
122( 5.26) |
U、T |
631(27.21) |
◎
クラスVb 179 例 追跡不明者 15 例( 8.38 %) <昭和60年〜平成23年>
179例中組織診による検査が行われたものは
151例(87.79%)、異形性:52例(29.05%)上皮内癌: 46例(25.70%)、浸潤癌: 33例(18.44%)、頸部腺癌: 1例(0.56%)子宮体癌: 5例(2.79%)、卵管癌: 1例(0.56%)がみられた。悪性と診断されたものは86例(48.04%)であった。 炎症性疾患は、17例(9.50%)にみられた。細胞診のみによる再検査は
9例であり成績は表の通りであった。なお、追跡不明者は15例(8.38%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(Vb比) |
151例
<87.79%> |
異形成 |
52(29.05) |
上皮内癌 |
46(25.70) |
浸潤癌 |
33(18.44) |
頸部腺癌 |
1( 0.56) |
子宮体癌 |
5( 2.79) |
卵管癌 |
1( 0.56) |
炎症性疾患 |
17( 9.50) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(Vb比) |
9例
<5.03%> |
長期間Vb |
4( 2.23) |
VbからU、T |
5( 2.79) |
※
平成8年の追跡不明者のうち1例が、平成10年の保険診療で上皮内癌と診断された。
◎クラスIV 88 例
追跡不明者 1
例 (1.14%) <昭和60年〜平成23年> 88例中87例に組織検査が行われ、異形性: 14例(15.73%)、上皮内癌: 27例(30.34%)浸潤癌: 33例(37.08%)、頸部腺癌: 6例(6.74%)、子宮体癌: 4例(4.49%)がみられた。悪性と診断されたものは、計
71例(80.68%)であった。炎症性疾患は、2例(2.30%)、追跡不明者は、1例(1.14%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(W比) |
87例 <97.75%> |
異形成 |
14(15.73) |
上皮内癌 |
27(30.34) |
浸潤癌 |
33(37.08) |
頸部腺癌 |
6( 6.74) |
子宮体癌 |
4( 4.49) |
腺扁平上皮癌 |
1( 1.12) |
炎症性疾患 |
2(
2.30) |
◎
クラスX 111 例 追跡不明者 5 例( 4.50 %) <昭和60年〜平成23年>
111例中100例に組織検査が行われ、異形性: 4例(3.60%)、上皮内癌: 10例(9.01%)浸潤癌: 76例(68.47%)、子宮頸部腺癌: 6例(5.41%)、子宮体癌:
8例(7.21%)がみられた。 悪性と診断されたものが、100例(90.1%)であった。炎症性疾患は、2例(1.80%)であった。 なお、追跡不明者は5例(4.50%)となっているが、この中には高齢者と他疾患合併のため治療拒否した例や他県に転居した例なども含まれている。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(X比) |
106例 <95.50%> |
異形成 |
4( 3.60) |
上皮内癌 |
10( 9.01) |
浸潤癌 |
76(68.47) |
頸部腺癌 |
6( 5.41) |
子宮体癌 |
8( 7.12) |
炎症性疾患 |
2(
1.80) |
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<平成24年> 1年間 受診者数:8727名 要精検者数:154名(17.6%) 追跡不明者:37名(24.0%)
◎ 平成24年度 ASC-US
54例 追跡不明者 15名(27.28%) <平成24年>
54例中組織診による精査が行われたものは30例(55.56%)、異形成21例(38.89%)、上皮内癌1例(1.85%)、浸潤癌1例(1.85%)炎症性疾患7例(12.96%)であった。
細胞診のみでの再検査は9例に行われ、NILM6例(11.11%)ASC−US2例(3.70%)LSIL1例(1.85%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(ASC-US比) |
30例 <55.56%> |
異形成 |
21(38.89) |
上皮内癌 |
1( 1.85) |
浸潤癌 |
1( 1.85) |
頸部腺癌 |
0( 0.00) |
子宮体癌 |
0( 0.00) |
肉腫 |
0( 0.00) |
卵管癌 |
0( 0.00) |
炎症性疾患 |
7(12.96) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(ASU-US比) |
9例 <16.67%> |
NILM |
6(11.11) |
ASC-US |
2( 3.70) |
LSIL |
1(
1.85) |
◎
LSIL
56例 追跡不明者 13例(23.21%) <平成24年>
56例中組織診による精査が行われたものは31例(55.36%)、異形成24例(42.86%)、上皮内癌1例(1.79%)、炎症性疾患6例(10.71%)であった。
細胞診のみでの再検査は12例に行われ、NILM4例(7.14%)ASC−US2例(3.57%)LSIL5例(8.93%)HSIL1例(1.79%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(LSIL比) |
31例 <55.36%> |
異形成 |
24(42.86) |
上皮内癌 |
1( 1.79) |
浸潤癌 |
0( 0.00) |
頸部腺癌 |
0( 0.00) |
子宮体癌 |
0( 0.00) |
卵管癌 |
0( 0.00) |
炎症性疾患 |
6(10.71) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(LSIL比) |
12例 <21.43%> |
NILM |
4( 7.14) |
ASC-US |
2( 3.57) |
LSIL |
5( 8.93) |
HSIL |
1(1.79) |
◎ HSIL(moderate & Severe) 34例 追跡不明者
7名(20.59%) <平成24年>
34例中組織診による精査が行われたものは24例(70.59%)、異形成12例(35.29%)、上皮内癌4例(11.76%)、浸潤癌7例(20.59%)炎症性疾患1例(2.94%)であった。
細胞診のみでの再検査は3例に行われ、NILM1例(2.94%)LSIL1例(2.94%)HSIL1例(2.94%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(HSIL比) |
24例 <70.59%> |
異形成 |
12(35.29) |
上皮内癌 |
4(11.76) |
浸潤癌 |
7(20.59) |
頸部腺癌 |
0( 0.00) |
子宮体癌 |
0( 0.00) |
腺扁平上皮癌 |
0( 0.00) |
炎症性疾患 |
1( 2.94) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(LSIL比) |
3例 <0.09%> |
NILM |
1( 2.94) |
LSIL |
1( 2.94) |
HSIL |
1(
2.94) |
◎
クラスW 1例 追跡不明者 0 <平成24年>
1例中組織診による精査が行われたものは1例(100%)、頚部腺癌1例(100%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(W比) |
1例(100%) |
頚部腺癌 |
1(100.00) |
◎ クラスX 4例 追跡不明者 0 <平成24年>
4例中組織診による精査が行われたものは4例(100%)、浸潤癌2例(50.00%)、頚部腺癌1例(25.00%)、癌肉腫1例(25.00%)であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(X比) |
4例
(100%) |
浸潤癌 |
2(50.00) |
頚部腺癌 |
1(25.00) |
癌肉腫 |
1(25.00) |
◎
その他 3例(Vb、AGC、ASC−H) 追跡不明者 2例(66.67%) <平成24年>
3例中組織診による精査が行われたものは1例(33.33%)、異形成1例(33.33%)、その他2例は追跡不明であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(その他比) |
ASC-H |
異形成 |
1(33.33) |
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<平成25年〜平成28年> 4年間 受診者数:34839名 要精検者数:772名(2.22%) 追跡不明者:184名(23.8%)
◎ ASC-US 304例 追跡不明者 120名(39.5%) <平成25年〜平成28年>
304例中組織診による精査が行われたものは155例、CIN1 75例、CIN2 28例、CIN3 27例、AIS 1例、SCC 4例、体部腺癌 2例、炎症性疾患 18例であった。
細胞診のみでの再検査は29例に行われ、NILM 23例、ASC−US 3例、LSIL 1例、ASC-H 2例であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(ASC-US比) |
155例
(51.0%) |
CIN 1 |
75(24.7%) |
CIN 2 |
28( 9.2%) |
CIN 3 |
27( 8.9%) |
AIS |
1( 0.3%) |
SCC |
4( 1.3%) |
体部腺癌 |
2( 0.7%) |
炎症性疾患 |
18( 5.9%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(ASC-US比) |
29例
(9.5%) |
NILM |
23( 7.6%) |
ASC-US |
3( 1.0%) |
LSIL |
1( 0.3%) |
ASC-H |
2( 0.7%) |
◎ ASC-H 18例 追跡不明者 2(11.1%) <平成25年〜平成28年>
15例において組織診による精査が行われた。CIN 10例、SCC 2例、炎症性疾患 2例であった。
ASC判定は322例(ASC-US 304例 ASC-H 18例)であり総受診者(3年間34839名)の0.92%にあたり、推奨される5%以下であった。
またASC全体に対するASC−USの割合は90%以上、ASC-Hの割合は10%以下が推奨されるが、当施設においてはASC-US(94.4%)、ASC-H(5.6%)であり推奨値内であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(ASC-H比) |
15例
(83.3%) |
CIN 2 |
1( 5.6%) |
CIN 3 |
9(50.0%) |
AIS |
1( 5.6%) |
SCC |
2(11.1%) |
炎症性疾患 |
2(11.1%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(ASC-H比) |
1例 (5.6%) |
ASC-H0 |
1( 5.6%) |
◎ LSIL 313例 追跡不明者48名(15.3%) <平成25年〜平成28年>
313例中組織診による精査が行われたものは249例、CIN1 102例、CIN2 48例、CIN3 68例、CIS 1例、SCC 3例、炎症性疾患 27例であった。
細胞診のみでの再検査は16例に行われ、NILM 4例、ASC-US 2例、ASC-H 1例、LSIL 9例であった。
LSIL 313例中102例がCIN1であったが次いでCIN3が多い結果となった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(LSIL比) |
249例
(79.6%) |
CIN 1 |
102(32.6%) |
CIN 2 |
48(15.3%) |
CIN 3 |
68(21.9%) |
CIS |
1( 0.3%) |
SCC |
3( 1.0%) |
炎症性疾患 |
27( 8.6%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(LSIL比) |
16例
(5.1%) |
NILM |
4( 1.3%) |
ASC-US |
2( 0.6%) |
ASC-H |
1( 0.3%) |
LSIL |
9( 2.9%) |
◎ HSIL(moderate & Severe) 107例 追跡不明者 12名(11.2%) <平成25年〜平成28年>
107例中組織診による精査が行われたものは94例、CIN1 13例、CIN2 10例、CIN3 44例、CIS 3例、SCC 16例、腺扁平上皮癌 2例、炎症性疾患 6例であった。
細胞診のみでの再検査は1例で行われ、NILMであった。。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(HSIL比) |
94例
(87.9%) |
CIN 1 |
13(12.1%) |
CIN 2 |
10( 9.3%) |
CIN 3 |
44(41.1%) |
CIS |
3( 2.8%) |
SCC |
16(15.0%) |
腺扁平上皮癌 |
2( 1.9%) |
炎症性疾患 |
6( 3.5%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(HSIL比) |
1例(0.9%) |
NILM |
1( 0.9%) |
◎ AGC 10例 追跡不明者 1名(10.0%) <平成25年〜平成28年>
10例中 8例に組織診による精査が行われた。CIN1 3例、CIN3 1例、体部腺癌 4例であった。1例は細胞診のみの再検査でNILMであった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(AGC比) |
8例
(80.0%) |
CIN 1 |
3(30.0%) |
CIN 3 |
1(10.0%) |
体部腺癌 |
4(40.0%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(AGC比) |
1例(10.0%) |
NILM |
1(10.0%) |
◎
AIS 1例 追跡不明 0例 <平成25年〜平成28年>
織診による精査が行われ、腺癌であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(AIS比) |
1例(100%) |
腺癌 |
1( 100%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(AIS比) |
0例 |
0 |
0 |
◎
SCC 18例 追跡不明 1例(5.6%) <平成25年〜平成28年>
18例中組織診による精査が行われたものは17例であった。SCC 13例 1例は追跡不明であった。
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(SCC比) |
17例(94.4%) |
CIN 1 |
1( 5.6%) |
CIN 3 |
2(11.1%) |
SCC |
13(72.2%) |
内膜腺癌 |
1( 5.6%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(SCC比) |
0例 |
0 |
0 |
<<子宮体部>>
平成25年〜28年の体部受診者中、陽性9例、疑陽性23例が発見された。また診断不適となったものが34件(8.56%)であった。
陽性・疑陽性中9件が組織診断にて悪性腫瘍と判定された。
疑陽性 23例 追跡不明 2例(8.7%) <平成25年〜平成28年>
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(疑陽性比) |
20例(87.0%) |
CIN 1 |
1( 4.3%) |
内膜腺癌 |
6(26.1%) |
直腸癌 |
1( 4.3%) |
増殖性疾患 |
5(21.7%) |
良性疾患 |
7(30.4%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(疑陽性比) |
1例( 4.3%) |
陰性 |
1( 4.3%) |
陽性 9例 追跡不明 1例(14.3%) <平成25年〜平成28年>
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(陽性比) |
8例(88.9%) |
内膜腺癌. |
6(66.7%) |
漿液性腺癌 |
1(11.1%) |
増殖性疾患 |
1(11.1%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(陽性比) |
0例 |
0 |
0 |
診断不適 14例 追跡不明 9例(64.3%) <平成25年〜平成28年>
組織診による精査 |
病理診断 |
例数(SCC比) |
4例(28.6%) |
内膜腺癌 |
1( 7.1%) |
良性疾患 |
3(21.4%) |
細胞診のみ再検査 |
クラス別成績 |
例数(SCC比) |
1例 |
陰性0 |
01( 7.1%) |
要精検者合計3,567 例中追跡不明者計 608 例(17.0%)
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