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  婦人科情報

<メニュー>
 @低用量ピル
 A性感染症に注意
 B緊急避妊(アフターピル)
 Cミレーナ(新避妊方)
 D男女産み分けについて
 E不妊症治療は若いうちに
 Fホルモン補充療法(HRT)
 G子宮頚部ガン予防ワクチン
 H子宮癌検診
 I乳癌検診について
 J子宮外妊娠
 K子宮筋腫

 
低用量ピル
平成11年秋に避妊薬としてのピルが正式に認可され、各製薬会社より約10種の低用量ピルが発売されました。
米国ではピルは50年前に認可され、多くの人が使い、製品の改良も進み、効果も副作用も、かなりはっきりしたデータがあります。
現在の低用量ピルは、避妊効果は他の避妊法に比べて極めて高く、副作用も非常に少なく、かなり安全な物です。アメリカでは避妊法として40%の人がピルを使用しているそうです。日本でもピルの使用率が急速に増えています。

重大な副作用は、ごくまれに肝機能障害が起こることと、血液の凝固機能が高まり血栓症が起こることがあると言われています。このため米国では、「35歳以上の喫煙婦人はピルは危険です」と言われています。
日本では副作用はもっと少ないと思われていますが、定期的な検査は必要です。
その他吐き気や異常出血もありますが、あまり心配はいりません。

  <ピルの使えない人>
 ● 心臓,肝臓、腎臓に病気のある人
 ● 血栓症になったことのある人
 ● 性器や乳房に悪性腫瘍の疑いがある人   
 ● 35歳以上の喫煙者(1日15本以上)
 ● 妊娠中あるいは授乳中の人

ピルの料金は、現在当院では1ケ月(28日)分 2,500円+消費税 です。検査の日は別に検査料が必要です。

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【性感染症に注意】
  • 性感染症(STD)は性交によってうつる病気のことをいいます。
  • 性感染症には、クラミジア淋病外陰ヘルペス梅毒HIVなどがあります。
  • 今、若者の間に性感染症が広がっています。
  • 性感染症は、初め症状が無いことが多く、そのために広まるのです。
  • 性感染症は性器から口に、口から性器にも感染します。
  • 性感染症は予防できます。 もっとも効果的な予防はコンドームの利用です。
  • 排尿痛、かゆみ、帯下の増加、水泡ができるなどの症状があったらすぐ受診しましょう。パートナーとの情報交換と、同時の治療が必要です。
  • 詳しく言えば性病性感染症(STD)には違いがあります。性病とは、法律で決められた淋病梅毒軟性下疳第4性病の4つの疾患をいいますが、通常軟性下疳第4性病の2つは日本には無いと言われます。性交でうつる病原体はこれらの他にも、細菌・かび・原虫・ウイルスなど、いろいろありますので、全部含めて性感染症と言うのです。
<クラミジア>
現在
世界的にもっとも多い性感染症です。日本でも20才前後の女性の20人に1人は感染していると言われます。
クラミジアトラコマティスという細菌による感染で、
多くの人が無症状です。特に男性は症状が無いと言われます。
放置すると、卵管炎、腹膜炎を起こし、不妊症になったり、分娩時に感染があると新生児が肺炎を起こし死亡することもあります。
<淋病>
淋菌という細菌による感染症です。細菌増加しています。症状は、帯下の増加、頻尿、排尿痛などですが、症状が無いことも多く、放置すると、卵管炎、腹膜炎を起こし、不妊症になります。
<ヘルペス>
純ヘルペスウイルスというウイルスにより感染です。初めて感染した場合、感染した部分に水泡や潰瘍性の病変をつくり、かなりの痛みがあります。
治療で症状は消えますが、ヘルペスウィルスはいったん感染するとその場所に潜伏し、ストレスや疲れなどで再発することが多い病気です。

妊娠末期に発症した場合、新生児に感染し、新生児肺炎、死亡ということもあります。
<梅毒>
梅毒トレポネーマという細菌によ感染症です。初期はほとんどの人が症状はありません。放置すると数年〜10数年後に心臓、血管、脳などに障害が出てくる怖い病気です。
<HIV>
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)はエイズを起こすウイルスです。感染しただけではほとんど症状はありません。放置すると約10年後にエイズを発症し、死亡します。感染がわかれば、エイズの発症をおさえる治療を行ないます。
最近非常に増加しています。

性感染症にはその他、トリコモナス、カンジダ、B型肝炎ウイルス、毛ジラミ、尖圭コンジローマなどがあります。


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【緊急避妊(アフターピル)】
緊急避妊は、モーニングアフターピルとかアフターピルとも呼ばれるもので、避妊をしないで性交をしてしまったとか、コンドームが破けるなど避妊の失敗が起こったなどの場合に、妊娠を防止する方法です。
その最も一般的な方法が、緊急避妊ピルと呼ばれるものです。性交が行われた72時間以内に服用開始しなければなりません。(最近は96時間でもやってみる価値は有ると言われます。)

通常、「ノルレボ錠」という緊急避妊専用薬を使います。厚生労働省が認可している方法で、効果も高く、副作用も少ないホルモン剤です。
15,000円+消費税です。

緊急避妊ピルはかなりの妊娠を防止しますが、100%というわけではありません。正確に使用した場合でもおよそ2%に妊娠を防止できないと言われています。
通常の経口避妊薬を使用している女性に比べると妊娠率はかなり高くなります。したがって、この方法は経口避妊薬の代用とはなりえません。


旧来型緊急避妊ピル(ヤップ法):平成23年にノルレボ錠が使えるようになりましたが、それ以前に緊急避妊として使われてきた方法です。
古くからあるホルモン剤を使い、4錠を12時間空けて2回に分けて飲む方法です。
ノルレボ錠に比べ効果が悪く(失敗率3%?)、吐き気など副作用も強いので、あまりお勧め出来ません。
5,000円+消費税です。

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【ミレーナ(新しい避妊法)】


医師が関与する避妊法として、約50年前から、「ピル」と「IUD(子宮内避妊具 リング)」がありました。
ピルは癌になるぞと言われた時期もあり、IUDは避妊効果が低く、IUD装着者の妊娠もかなりありました。
IUDも改良が進みましたが、ピルが普及しだすと、副作用もそれほど多くなく「避妊はピル」という時代が長く続きました。
ところが、2007年新しいIUD(ミレーナ)が開発されました。
ミレーナは、今までのIUDに女性ホルモンの1種である「プロゲステロン」をコーティングすることにより、避妊効果が上がりました。
今は、避妊効果はピルと同程度と言われます。
排卵痛、生理痛がかなり減少します。生理の量もかなり減少します。生理用品がいらないという人もおられます。
ピルは血栓症系の疾患(心筋梗塞、脳梗塞)が増えるので、高齢者や喫煙者は要注意ですが、ミレーナは使えます。

1回装着すると、5年間効果が続きます。
経産婦さんで、今後長期の避妊をされたい方に特におすすめします。
もちろん未産婦の方や前回帝切の方も挿入可能です。

ミレーナ挿入費用は50,000円+消費税です。

ただし、生理痛が強い(月経困難症)方は保険が使える場合もあります。この場合、検査・処置料加え12,000円位です。

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【男女産み分けについて】

いろいろな方法が有るようです。うまくいくよという話もあり、だめだという話もあります。

ネットでさがすと、男女産み分けサイトがいくつかありますね。成功率90%以上とか。
しかし、成功率80%以上あるのであれば、正式な論文として日本産婦人科学会誌とかアメリカンジャーナルなどの一流誌が採用するはずだし、特許もとれるはずです。
特許が取れれば10億円以上の価値ある商品となります。しかし、そのような正式データとか特許の話は無いようですね。だから私は現在ほとんどの方法を信用しておりません。

唯一産婦人科学会で認められている方法は、精子を遠心分離して、体外受精する方法です。しかしこれでも女児希望の場合の成功率が70〜80%であり、男児希望には使用できないようです。
また、時々問題になっていますが、一部の医者がやっておられる受精卵の着床前診断は、ほぼ100%の成功率ですが、日本産婦人科学会は倫理的な問題で、この方法を認めていません。

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【不妊症治療は若いうちに】
最近、結婚年令が上がっているようです。
男性も女性も、簡単には結婚したがらない。今の仕事を続けたい。結婚しなくても食事その他の生活には困らない。フレンドはいる。一人だと自分で稼いだお金を全部自分で使える。等々。
そこで30才過ぎて、時には35才過ぎて結婚する。すぐ妊娠できれば良いのですが、妊娠しなくても2〜3年は待ってみる。そして不妊のため38才すぎて受診される方も多いとのことです。

最近は、不妊症の治療法も進み、体外受精、顕微受精など本格的不妊治療を行う専門施設も増えてきました。だから、現在は妊娠を望めば、そしてお金と暇とご主人の協力が得られたら、多くの場合、妊娠にむすびつくことが多いようです。

しかし、不妊専門の医者がよく言うのは、なるべく若いうちに受診してくださいということです。
年令の増加に従い、卵の加齢もはっきりしているそうで、体外受精をしても、38才過ぎたら成功率がかなり下がり、40才すぎたら、絶望的とのことです。海外で50才で出産したなどのニュースがありますが、他人の卵をもらった症例ばかりだそうです。
だから、体外受精を考えても、遅くとも38才までに、出来れば35才頃までに受診してくださいと言われます。

なお、私は基本的には不妊治療を行っておりません。信頼できる不妊専門医を紹介しております。

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ホルモン補充療法(HRT)
50歳前後になると生理が止まり更年期になります。卵巣の機能が無くなり、女性ホルモンが作られなくなるために生理が止まるのです。平均寿命が86歳になってくると、更年期後の長い期間を若々しく健康に暮らそうと思うなら、女性ホルモンがあったほうが良いという考えがあります。

女性ホルモンの化学構造は簡単なため、数十年前から薬として合成されています。
女性ホルモンが体内で作られなくなったのなら、ホルモン剤を飲めばいいじゃないかというのが「ホルモン補充療法(HRT)」の考え方です。
欧米では50年以上前からHRTが行われており、2000年頃は、は欧米更年期夫人の約30%がHRTをしていると言われていました。

日本でも副作用の問題で、異論が有りますが、多くの産婦人科医はHRTを勧めています。

  <HRTの利点>

1) 女性らしい皮膚の状態、体型が保てる。
2) 発汗、肩こり、不眠などの更年期障害を予防する。
3) 血中コレステロールの上昇を抑える。
4) 骨量減少を予防し、骨粗しょう症を防ぐ
5) 記憶力を保ち、うつ病を減らす。人生にやる気が出てくる。 
6) HRTをしている人は、アルツハイマーになる確率が低い

  <HRTの欠点>

1) 乳癌の発生率が、やや高くなる。
5年以上HRTを続けた場合、乳癌の発生率が 1.35倍になると言われます。
この数値は、1000人がHRTをしていた場合、そのうち年間4〜5人が乳癌になるという確率です。
夫の喫煙により乳癌になる危険率よりかなり低いと言われます。
またHRTにより、直腸癌、子宮癌、卵巣癌などは減ると言われるので、HRTをやっている人は、全身の癌発生率はあまり変わらないとも言われます。
もう1つ、乳癌の発生率は高まっても、早期発見が多く、またHRTをやっている人は癌に対する抵抗力が強いため、乳癌による死亡率は低下するとも言われます。
2) 心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症が、やや増加する。
米国のデータで、心筋梗塞、脳梗塞は 1.3倍、静脈血栓症は約2倍になると報告されました。しかし、ホルモン剤の使用法の変更で、この副作用はかなり少なくなると言われています。

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【子宮頚部がん予防ワクチン】
子宮頚部がんの発生を予防するワクチンが平成21年より使用可能となりました。
子宮頚部がんの原因の多くはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染であることが明らかになっています。
このHPVは、皮膚や粘膜の接触によって感染するウイルスで、多くの場合、性交渉によって感染すると考えられています。
発がん性HPVは、すべての女性の約80%が一生に一度は感染していると報告があるほどとてもありふれたウイルスです。
感染しても、多くの場合数年で自然に排除されますが、長期に持続感染を起こした場合、がんが発生すると言われます。
【子宮頚部がんを予防するワクチンとは】
ヒトパピローマウイルス(HPV)の中で、特に発がん性の強いHPVの感染を予防するワクチンです。
発がん性の強いHPVの感染を防ぐことにより、その後に発生する子宮頚部がんの発生を防ぎます。
だからこのワクチンは、
接種後10年以降の子宮頚部がん発生を防ぐワクチンと理解してください。
なるべく若い時、または初回性交前の接種が勧められます。またはこれから新しい出会いの考えられる方に。
しかし、ワクチン接種前に感染したHPVを排除したり、すでに変性している細胞の進行予防効果はありません。
ワクチンの効果持続期間は確立されていませんが、多分10年以上〜数10年効くのではないかと予想されています。
また、発がん性HPV以外の原因による子宮頚部がん発生もありますので、ワクチン接種後も20歳過ぎたら年1回の
 
子宮がん検診をお勧めします。
【ワクチンの使用方】
@ 初回と、1ヵ月後、6ヵ月後の3回、ワクチンを接種します。
A 料金は初回1万6千円、2回目3回目はそれぞれ1万5千円です。・・・今後変更する可能性があります。
B 10才以上の女性に接種します。・・・40歳位までに??
【ワクチンの副作用】
@ 時に蕁麻疹、発熱、頭痛、疲労感、胃腸症状、局所の腫脹硬結などが発生します。
A ごくまれにショック症状が発生します。
◎ このワクチンは、公費負担で希望する中学生に無料で接種できるようになりました。

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【子宮癌検診】
子宮癌には、子宮の入口にできる子宮頚部癌と、子宮体部にできる子宮体部癌の2種類があり、8割以上は子宮頚部癌です。
通常子宮癌検診と言うのは、子宮頚部癌検診のことです。
子宮頚部癌は子宮の入口に出来ます。
婦人科医が直接肉眼で見れる場所ですから、検査もしやすく、きわめて早期に発見が可能です。
子宮頚部癌の検査は、子宮の入口を専用のブラシでこすって、付いてきた細胞を、染色して専門家が顕微鏡で見て判定します。(細胞診)
だから、ほとんど痛みも無く、簡単に検査が終了し、結果の精度もきわめて高いものです。

全身の癌は、年々増加していますが、子宮頚部癌は、癌検診の普及によって早期発見・治療されることが多くなり、罹患率も死亡率も下がっています。
ところが、50歳代、60歳代では減少傾向、30歳代、40歳代、70歳代ではほぼ横ばいであるのに対して、20歳代だけが子宮頚部癌の発生が増加してきています。そして、10歳代にも時々見られるようになりました。
この40年の間に、子宮頚部癌の発生年齢は平均10歳若くなったと言われています。
また、この40年間に20歳代の子宮頚部癌発生率は4倍に増加したともいわれます。

この原因として、初交年齢の低下、性感染症の広がりが指摘されています。特にヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頚部癌の発生原因の1つとして認められております。

子宮頚部癌は、早期に発見できれば、ほとんど治ります。しかし、子宮は摘出しなければならないことも多いのです。
すでに数回の分娩を終え、子宮が物理的に不要な人は簡単ですが(精神的な問題はありますが)、これから妊娠分娩を考えている方には子宮の摘出は大変な問題です。
でも、出血などの症状の無いうちから、子宮癌の検診を定期的に受けておられれば、子宮を残し局所の治療だけですむ程度の、きわめて早期の癌を発見できる場合が多いのです。

子宮癌検診を受けましょう。特に20歳すぎたら、年に1回の子宮癌検診をおすすめします。

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【乳癌検診について】

・・・・・当院では乳癌検診はしておりません
乳癌は急増している疾患です。この30年間に3倍に増えたと言われ、現在、女性の癌の中では一番多い癌です。
この数年は、国内で年間約3万人が乳癌になり、その1/3の1万人が乳癌のため死亡していると言われます。

日本では乳腺疾患は外科の領域です。でも、外科医の中で乳腺疾患の専門医は非常に少ないのです。
だから、熱心な婦人科医が勉強して乳癌検診をしているというのが現状です。
また、マンモグラフィーもしたほうが良いのですが、装置が高額で、またその画像を判断する技術が難しく、なかなか普及していないようです。
現在(2018年10月)、佐世保市内で、マンモグラフィーをしているのは、佐世保市立総合病院共済病院労災病院中央病院松添胃腸科外科総合診療クリニック村上産婦人科の6施設です。
  ・・・・他に情報がありましたら教えてください。

<乳癌検診>
   @ 視診・触診
   A 超音波検査
   B マンモグラフィー(レントゲン検査)
この3つの方法があります。
乳癌の発生した場所や状態によって、視診触診で発見しやすい場合、超音波検査で発見しやすい場合、マンモグラフィーで発見しやすい場合などいろいろあるようです。
    
だから、出来ればこの3つの検査を同時にしてもらうのが理想的です。
しかし、この3つの検査をしても、なお見つけにくい乳癌があるのです。

それじゃどうするのという話。
出来れば超音波検査、マンモグラフィーも含め、年に1〜2回検診を受け、あとは毎月自己検診をしていくことが大切だと思います。
乳癌は自分で発見できる唯一の癌だと言われます。実際、乳癌の82%は自分で発見されているといわれます。

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【子宮外妊娠】

正常妊娠の場合、卵管膨大部で受精した卵が、1週間くらいかかって子宮内に運ばれ、着床して妊娠が継続していきます。
ところが、排卵前に卵巣内で受精したり、受精した卵が卵管内にとどまり、あるいは卵管外に出て、子宮以外の場所で着床したのが
子宮外妊娠です。
子宮外妊娠には、卵管妊娠、卵巣妊娠、腹腔妊娠などがあります。
子宮頚管妊娠は、本当は子宮内妊娠ではありますが、医学上は子宮外妊娠の中に入れて扱われます。

子宮外妊娠のうち、98%
卵管妊娠であり、そのうち80%卵管膨大部妊娠です。

きわめて稀ですが、双胎(ふたご)で、子宮内外同時妊娠などの報告もあります。
以下は、卵管膨大部妊娠について説明します。
 
子宮外妊娠は、妊娠しているだけでは症状が有りません。しかし、いずれ卵管流産卵管破裂を起こして、腹痛、出血などの症状が出てきます。

この時、大きな血管が破損すると、急激な腹痛とその後の腹腔内出血により、ショック状態となり、救急車で搬送され、緊急輸血、緊急手術になることもあります。
また、卵管流産の場合は、腹痛もひどくなく、腹腔内出血も少量のため、発症後数日〜10数日して診断されることもあります。
子宮外妊娠の典型的な症状は、生理が遅れ下腹痛があり、性器出血があることです。
通常、上記症状があり、尿の妊娠反応が陽性腹腔内出血が確認出来れば、子宮外妊娠の診断はほぼ確定です。

時には、生理が遅れただけの患者さんを超音波検査だけで子宮外妊娠と診断できることもあります。

しかし、妊娠していても月経様出血(偽月経)があったり、下腹痛が無かったり、出血が無い場合もあります。
また、生理が遅れていて、けっこう大量出血があったと言ってこられて、妊娠検査は陽性、超音波検査で子宮内には何も見えず、「流産してしまったのでしょう。」と診断、説明していたら、子宮外妊娠であったなどということもあります。
最近の高感度な妊娠検査でも、妊娠反応陰性の子宮外妊娠もあります。

「婦人科疾患では子宮外妊娠の診断が一番難しい。」と言う産婦人科医も多いのです。子宮外妊娠は、典型的な症例であれば、簡単に診断できるのですが、いろいろなタイプ、いろいろな経過の病状があり、診断が遅れ、患者さん側から不満が出ることもよくある疾患なのです。
治療の基本は、妊娠部分を卵管ごと切除する(卵管切除術)か、妊娠の部分だけ切除する(卵管切開術)かのどちらかです。
出血多量で、ショック状態、緊急手術時は、卵管ごと切除します。切除した側の卵管は使えませんが、卵管は2個ずつ有るので、次回妊娠も支障無く出来ることが多いようです。
患者さんの状態が良く、次回妊娠を強く希望される場合は、卵管を残して、妊娠部分だけ切除する手術も行なわれます。

上記手術は、お腹を大きく開けず、腹腔鏡手術で行なう施設も増えています。佐世保では、総合医療センターと共済病院で腹腔鏡手術がおこなわれています。

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【子宮筋腫】
子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍です。婦人科臓器の中で一番多い腫瘍で、40歳以上の女性の4〜5人に1人発生していると言われます。
女性ホルモンに感受性があり、妊娠すると増大し、分娩終了すると小さくなります。また閉経後は通常増大しません。

子宮筋腫の症状は、その筋腫が子宮のどの場所に発生したかによって異なります。
●子宮の外側近くに発生した場合
(漿膜下筋腫)、外側に増殖するためにあまり症状は出ません。生理痛増強や、大きくなったとき便秘など周囲の圧迫症状です。
●子宮の内側近くに発生した場合
(粘膜下筋腫)、子宮内腔に増殖するため、月経過多、貧血、生理痛増強がきます。
 
子宮筋腫の管理は、基本的には手術するか、放置するかの2つです。
薬物投与もありますが、生理痛や月経過多などに対する対症療法で、筋腫を治療するわけではありません。
手術が必要な場合は、筋腫が大きく、周囲の圧迫症状が強い時と貧血が続く時です。
また、不妊の原因や流早産の原因になると考えられる場合は、手術が検討されます。

なお、当院では子宮筋腫の手術はおこなっておりません。手術の必要を感じたら総合病院に紹介しております。

<貧血について>
生理の量は、通常20才すぎが一番多く、30才になると減少、40才ではさらに少なくなります。30才すぎて20才頃と同じ量の生理がある方は月経過多であり、子宮筋腫があることが多いのです。
子宮筋腫による
貧血はきわめてゆっくり進むため、身体が貧血に慣れてゆき、動悸息切れなどの貧血症状は出ない事が多く、偶然血液検査を受けて貧血を指摘されることが多いのです。
30才すぎて
貧血がある場合、子宮筋腫がある場合が多いのです。一度婦人科を受診されることをお勧めします。
貧血を長期間放置すると、心臓に負担がかかり、心肥大など心臓疾患の原因になります。
貧血の治療は鉄剤の服用か注射です。注射は通院していただかなくては出来ないので、通常は鉄剤の服用で治療します。
しかし鉄剤は時に吐き気をを起こす人もおられるので、その場合は注射に通っていただきます。
貧血は、割に簡単に治りますが、貧血が治ると生理が増え、また貧血になる方も多いのです。
そうするとまた
貧血の治療が必要です。ところが年中貧血の治療をしていると、鉄が肝臓に蓄積し(ヘモジデローシス)肝臓が悪くなることもあります。だから、年中貧血の治療が必要な人は、子宮筋腫の手術をしたほうが良いということになります。

もう1つ、
閉経までの期間も考慮します。
子宮筋腫は閉経をすぎると、増大することは少なくなり、むしろ縮小することが多く、貧血も改善するので、手術の必要がなくなります。
だから、40歳前後の患者さんなら手術を考えるような
子宮筋腫でも50歳前後なら閉経まで様子をみることも多いでしょう。
しかし、筋腫の無い人は49〜50歳で閉経する人が多いのに、筋腫の有る人は52歳位まで生理が有る人が多いようです。

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